契約の成立とは


売買などの契約が成立するためには、申込みの意思表示が必要であり、これに対して、承諾の意思表示がなされることによって契約が成立することになります。これが基本的な契約の成立です。
たとえば、Aさんが所有する自転車を10000円で売りたいという意思を持っていて、その意思をBさんに表示したところ、Bさんが買いますという意思をAさんに表示しました。この場合には、AさんとBさんの間で売買契約が成立します。この契約の成立過程を分解してみると、まずAさんの申込みがあり、申込みに対してBさんの承諾があります。承諾契約であれば、申込みがあってその申込みに対する承諾が行われたときに、契約が成立するのです。なお、契約書とは、どのような内容の契約が、いつ、誰と誰の間で成立したかなどを証明するための文書であって、契約の成立とは無関係なのです。
AさんとBさんの自転車の売買で、Bさんが「10000円では高い、5000円なら買う」などといった場合には、申込みを拒絶したことになり、逆にBさんからAさんに新たな申込みをしたことになります。
申込者が申込みをすると、相手方はこれについて承諾をすることにより、契約が成立するという期待を抱くことになるので、この段階で申込者が勝手に申込みを撤回することは許せれません。
申し込みの撤回がいつまでできないかというと、まず承諾期間を定めてした申込みについては、その期間内は申込みを撤回することができません。また、承諾期間を定めずに申し込みの意思表示をしたときには、承諾通知をするのに相当な期間が経過しないかぎり、申込の撤回をすることができません。
申込みを受けた者は、承諾しさえすれば契約が成立するという期待をするのが通常ですので、これを無視するわけにはいかないのです。
最近は、悪質商法が増えてきて、しつこい電話での営業に対して断るつもりで「結構です」といったら、承諾したと意図的に誤解して代金請求してくる者もいます。承諾とは、申込みを受けた者がその内容の契約を締結しようという意思表示なので、このような場合には相手が誤解しただけで、契約の成立とはいえず、何の義務も発生しないことになります。