契約の解除とは


契約の解除には、合意解除と法定解除の2種類があります。合意解除というのは、法定解除のように、民法の要件に基づいて行う解除ではなく、契約の両当事者が解除することに合意することにより行う解除です。この解除の行為自体が一つの契約となります。
法定解除というのは、民法の規定によって解除権が発生する場合をいいます。通常はこの法定解除が問題になります。まず、相手方の履行が遅れたために契約を解除するには、その履行遅滞が相手方の責任であること、相当期間を定めて催告をしたこと、そして、それにもかかわらずその催告期間内に履行されなかったことが要件となります。
したがって「本書面到着後10日以内にお支払い下さい。お支払いなき場合には、契約を解除させていただきます」というように、催告期間を定めた文書を内容証明郵便で相手に送付して、証拠にします。
このように相手方の履行遅滞が原因で契約を解除する場合には、催告という最後のチャンスを相手方に与えなければなりません。
また、相手方の責任で履行が不可能になってしまい、契約を解除しなければならない場合があります。たとえば、家を買う契約をしたのに、相手方が契約後に第三者に売ってしまい、登記も移転してしまったような場合です。
このような場合、登記を戻させて契約を履行させることは難しいので、催告する必要はなく、直ちに契約を解除することができます。
その他、事情の変更があって、当初の契約どおりに履行を強制することが、信義に反するような場合には、一定の要件のもとに催告することなく、契約を解除することが認められています。
契約解除の効果は、契約が成立したときにさかのぼって生じることになります。契約が解除されたら、その契約は初めからなかったことになります。その結果、契約当事者には契約前の状態に戻す義務(原状回復義務)が発生します。つまり、解除された契約に基づいて目的物の引渡しや代金支払がすでに行われていれば、目的ものや代金は返還されなければなりません。
ただし、民法ではこの原状回復義務の履行によって第三者の権利を害することはできないと規定しています。この規定は、契約の履行として買主に移転された目的物の権利が、さらに買主から第三者に譲渡された後に、契約が解除された場合に問題となります。この場合には、契約の解除によって、売主は権利の返還を受けることができるでしょう。しかし。それでは買主から譲渡を受けた第三者にとっては迷惑な話です。そこで、民法は一定の場合には、このような第三者を保護することにしているのです。