売買契約とは


売買契約は、目的物を売ろうとする意思表示と、それを買おうという意思表示が合致することによって成立します。
売買契約が成立すると、売主は目的物を買主側に移転する義務を負います。買主には、代金の支払義務が発生します。目的物が不動産であれば、その引渡しや登記移転の手続きも必要になります。不動産の権利証等も買主側に交付しなければなりません。
もし売った目的物に瑕疵があった場合はその瑕疵について売主に過失がなくとも、責任を負わなければなりません。これを担保責任といいます。
この瑕疵のなかには、売買の目的物の全部または一部が他人の所有するものであったり、あるいはその一部が存在していなかったり、その目的物が他人に賃貸しているものであったり、担保権が設定されていて制限を受けているという場合も含まれます。目的物に物質的な瑕疵がある場合には、売主は瑕疵担保責任を負わなければなりません。
不動産などの高額な売買契約が成立する場合、一般的に売買契約時に手付金を支払います。通常は売買代金の1割ないし2割が手付金として授受されます。この手付金の授受があった場合には、相手方が履行するまでは、買主はその手付金を放棄して契約の解除をすることができます。そして売主は、買主に受け取った手付金の倍額を返還すれば、契約を解除することができます。これを解除手付けといいます。
なお、不動産取引をする際に、国土法の届出が必要な場合には、不勧告通知がなされるまで、売買契約の締結は禁止されています。当然、手付金の授受もしてはいけないことになっていますので、注意してください。
【他人の物を売買するとき】
売買というのは、一般的には、売主が自分の持っている物を買主に譲渡するということです。しかし、民法では、自分の物ではない、他人の物の売買についても規定されていて、他人の物の売買であっても売買契約として有効に成立することを認めています。
たとえば、Aさんの不動産をBさんが買い、さらにその不動産をCさんに転売する計画を立てたとします。Bさんは転売して利益を得ようとしたにもかかわらず、売買代金を用意できませんでした。そのため、先にBさんCさん間で売買契約を締結し、Cさんから代金を受け取った後で、AさんBさん間の売買契約を締結して、Aさんに代金を支払うというような場合があります。もちろんBさんとすれば、Aさんの物を自ら取得して、これをCさんに転売しなければならない義務を負います。買主Cさんは、その物が売主Bさんの物でないことを知っている場合もあれば知らない場合もあるでしょう。しかし、問題となるのは、売主が売買の目的物を取得して、これを買主に譲渡することができないという場合です。このような場合に、売主は次のような担保責任を負わされます。
買が売主の物でないことを知らなかったときは、売買契約を解除し損害賠償を請求することができます。ところが、買主が売主の物でないことを知っていたときには、契約の解除ができるだけで、損害賠償の請求はできません。さらに売主自身も自分の物でないことを知らない場合があります。このような場合には、損害賠償をして、売主側から契約の解除をすることができます。このとき、買主が売主の物でないことを知っていた場合には、損害賠償を支払う必要はありません。
【委任契約】
委任契約というのは、民法上では、相手方に法律行為を委託し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約です。法律行為でない場合もありますが、法律行為でない場合は準委任といわれ、委任と同様の扱いになります。
弁護士に裁判の遂行を委託したり、不動産の売買を委託することなどが法律行為の委託に属し、医師に治療や手術を依頼するのが準委任ということになります。委任する時は、委任する人とそれを受ける人との間で、委任契約を締結するのが一般的です。会社が取締役や監査役に就任を依頼する時は、会社と取締役や監査役との間で委任契約を締結しています。委任を受けた者は、その委任を受けたことに関して善良なる管理者の注意義務を負います。これは、専門的知識や経験をもって、依頼された事務処理をおこなう注意義務をいい、一般よりも高い注意義務が課されます。
委任契約を解除する時は、いずれか一方が解除の通知をすれば、いつでも解除することができます。