担保物件の種類とは


お金を貸した相手が返してくれない場合、最終的には強制執行によって、債務者の財産を競売にかけて返済を受けることになります。しかし他にも債権者がいて、債務者に十分な資力がない場合には、ちゃんと弁済が受けられるとはかぎりません。そこで債権者は、確実に返済を受けるために、債務者または第三者に特定の物を担保として提供させ、他の債権者に優先して、その物の価値から弁済を受けられるようにします。このように、物の交換価値で弁済を保障することを物権担保といいます。担保という言葉は保障するという意味です。
AさんがBさんに30万円を貸しました。BさんにはAさんのほかにも借金があり、その額は全部で300万円になります。しかしBさんには100万円の財産しかありません。もしBさんがこの状態で破産すると、Aさんは10万円しか返してもらえないことになってしまいます。
このようなことのないように、ある特定の財産から優先的に30万円の債権を返してもらえるようにするのが担保物権です。民法に定められている担保物権は、4種類あります。
これらは、法律上当然発生し、特定の債権を担保することを目的とする法定担保物権と、当事者間の契約によって成立する約定担保物権の二つに分けられます。
法定担保物件は留置権と先取特権があり、約定担保物権には質権と抵当権があります。抵当権には、根抵当権も含まれます。留置権と質権の場合、担保権者は担保物権を預かることによって、債権の弁済を促します。
一方、先取特権と抵当権の場合には、担保権者は担保物権の目的物の引渡しは受けずに、使用収益を債務者にまかせて、担保物権から優先的に弁済を受ける権利をもつというものです。
担保物権は債権の担保を目的としていますので、担保すべき物件があってはじめて担保物権が存在します。したがって、債権が消滅すると担保物権も自動的に消滅します。このような性質のことを担保物権の付従性といいます。
債権が譲渡された場合には、その債権にともなって担保物権も移転し、新しい債権者のために債権を担保します。この性質を担保物権の随伴性といいます。
また、担保物権には不可分性という性質もあります。これは、債権の全額の弁済が終わるまで、担保物権の効力は担保物権全部に及ぶというものです。つまり、債権の一部を弁済したとしても、それにより担保物権の一部が消滅することはありません。
さらに、担保物権の目的物が壊れたり燃えたりしたために、所有者が目的物に代わって保険金支払請求権や損害賠償請求権などを取得できる場合もあります。このような場合に担保物権は、保険金支払請求権や損害賠償請求権のうえにも存続することになります。これは、担保物権の物上代位と呼ばれているものです。