物権とは


物権とは、特定の物を直接に支配する権利のことです。
民法では10種類の物権を定めていて、そのほか法律によって定めるもの以外には創設することはできません。これは、不動産に関する権利関係の複雑化を防ぎ、物件を限定することで権利関係を単純化するという理由によるものです。
物件の種類は、占有権、所有権、用益物件、担保物件の4種類に分けられます。
占有権は「自己のためにする意思で物を所持することによって、これを取得する」(一八〇条)と規定されていて、占有者は所持するだけで占有権を所得できます。占有者には占有する権利があります。
即時取得は、一定の要件のもとで、動産の所有権を取得します(一九二条)。また、占有訴え権は、占有を侵害されたときに、その占有を排除する権利です。しかし、正当な権限をもって占有しているとは限らず、正当な権限のある占有かどうかは、占有権の存否の影響はありません。
たとえば、他人の土地であると知っていながら、その土地を占拠しているような場合にも、占有権が認められます。この占有が20年間一定の要件のもとで継続することによって、その土地の所有権を取得時効により取得できます。
所有権とは、その所有物の使用収益および処分を自由にできる権利のことです。つまり、その目的物に対して、所有権者は全面的な支配権をもっているということになります。
また、用益物件は他人が所有権をもっている土地に対し、その土地を一定の範囲内において使用、収益することができる権利をいいます。用益物件には、地上権、永小作権、地役権、入会権の4種類がありますが、それぞれの土地の利用目的にしたがって設定されます。入会権以外は、土地の所有者とその土地を利用したい者との間の契約により発生するものです。
最後に担保物権ですが、これには留置権、先取特権、質権、抵当権の4種類があります。この権利は、債権者が債務者対する債権を確保うるために、債務者または第三者が提供する目的物を担保とすることができる権利です。留置権以外は、目的物から優先的に弁済を受けることが可能です。